【あるある】事業会社のWebディレクターに起きがちなこと

Webディレクター

事業会社のWebディレクターが共感できるあるあるをまとめました。制作会社のWebディレクターから事業会社のWebディレクターに転職を検討されている方や事業会社のWebディレクターに就職を検討されている方にとって有益な情報になればと思います。

上司/責任者が営業あがり

事業会社は営業から出来上がった会社が多く社員の80%が営業で構成されていることも珍しくありません。肝心のIT部門は後から出来上がっているため、30年40年の歴史を誇る企業であってもIT部門の歴史は15年〜20年くらいだったりします。

こういった背景があるため
・IT部門を立ち上げよう
・中途で雇った人や新卒を責任者にはできないよな
・じゃあ営業部長をしている○○をIT部門の責任者にするか
という流れでIT部門の責任者は○○さんという営業部長が横スライドしてくることが多いです。その後も○○さんは辞めることが滅多ありません。次の責任者選びがある際も下が育っていない事が多いため、別の営業部長が横スライドしてきます。

これの問題は「話のわからない上を相手をする辛さ」です。本来自分よりも技術や経験のある人が上にいて、何かあった時は的確な指示やフォローを期待したいものですがそういったことはありません。むしろITのことをあまり分かっていないので、技術的な話がなかなか進まなかったり、常識を理解してもらうことに苦労します。

それも含めて上手く立ち回る力が求められますが、事業会社のWebディレクターで働く以上理解しておいたほうが良いでしょう。

営業よりも給料が低いが責任は重い

同期の営業は顧客を何十人と持って、各種提案やフォローをしています。
Webディレクターはユーザー向けやクライアント向けのWebサイトを運営します。また、同期の営業のトップにいる営業部長やその補佐の方々と話をして物事を決めていきます。

どちらが偉いとかそういう話ではなく、Webディレクターの方がプレッシャーがかかる上に技術が必要で責任が重いです。しかしながら、営業の方が給料が良いです。本来の需要と供給を無視した給与設定になりがちです。

この理由も先程と同じであり、営業が作り上げた会社で営業社員が多いため、営業を優遇した制度になっています。後から作ったIT部門が自分たちよりも高い給与を貰うことを容認できていないということです。しかしながら、こういった会社は弱っていきます。逆に市場の需要と供給に対して向き合い、IT部門に相応の給与を払う会社は伸びています。これは私の意見ではなく、事実そうなっています。そのため、営業部門よりも給与の低いケースは避けるべき会社の一つと言えます。

営業側との軋轢ができがち

これは仕事上に起きることですが、営業側とは仲が悪くなりがちです。若い社員同士の方がこの傾向が強く、ミドルな社員になってくるとその壁を乗り越えている印象です。
【営業側の意見】
・まじでIT部門使えない
・要望出しても反映されない
・スピードが遅い
・バグが起きてそれをクライアントに謝るにはこっちだぞ
【IT側の意見】
・IT部門に電話かけてくんな
・今すぐできない?できないよ
・営業側で意見を集約してから要望出してよ
・分かってないのに遅いとか言われてもね
・バグは申し訳ないが、ストレスのはけ口をIT部門に向けてもなんにもならんぞ
といった感じでバチバチしがちです。

かつての私も若気の至りでそういった時期があったため、あまり偉そうなことは言えませんが、バチバチしていても良いことはありません。中には一向に話の分からない社員もいますが、寄り添いを大事にされている営業の方もいます。そういった方々と協力しながら良い方向にすすめていくのが吉といえます。

20代と30代が9割

事業会社のWebディレクターは薄給激務で責任が重めであるため、辞める人が後を絶ちません。私のいた事業会社は毎年5人ほどのWebディレクターが新卒で入り、中途は毎年10人いかないほどでした。この15人が5年後には2,3人になっています。新卒が一人残っていれば儲けものです。

入社検討中の企業の平均年齢(IT部門)は気にしたほうが吉です。よくある話ですが、若手が活躍・20代でもプロジェクトリーダーなどの文言はそういうことです。対価を払うことに対して蔑ろになっている証拠と言えます。しかしながら、私の意見としては20代前半ならアリな面もあります。20代前半は苦労してでもスキル習得に当てるべきだと思っています。もちろん、そこに対価が伴えばベストですが現実問題なかなか難しいです。割り切れるのであれば、あえてそういった企業を選ぶというのも1つの選択肢といえます。

スキルが身についているのか分からなくなる時がある

Webディレクター全般に言えることですが、目的と目標意識が薄くなると
・コード書けるわけじゃないし
・デザインを綺麗にひけるわけじゃないし
・管理はするけど、殆どお願いみたいなもんだし
・俺の強みってなんだ
ってなりがちです。特に事業会社のWebディレクターは制作会社のWebディレクターと異なり、色々なことをしなければなりません。事業の状況にも左右されますし、社内の状況にも左右されまくるので、総務までとは言いませんがある種なんでも屋的なことになることもあります。

最初にも述べましたが、目的と目標の意識が必要です。それに沿わない場合にはあまり時間をかけるべきではありません。全く何もしないと軋轢を生んでしまうため、いい具合に手を抜いてちゃちゃっと終わらせるのも1つのやり方です。

メインサービスやってる人よりサブサービスやってる人の方がデキる

事業会社が持つサービスの数によりますが、多くの事業会社は複数の事業を展開しています。1つのメインサービスが主な収益源となりつつ、小さく色々な事業を展開しています。

Webディレクターはメインサービス、サブサービスどちらにも必要になるため、いずれかのサービスを担当します。この場合、メインサービスをしているWebディレクターよりもサブサービスを担当しているWebディレクターの方がスキルのある場合が多いです。なぜなら、サブサービスのWebディレクターはあれもこれもやりますし、工数の問題を解決するために自分の手を使って解決を図ります。気づけば自分でデータだしもしますし、AWSの設定をしたり、サーバにファイルもアップしますし、かなり細かい要件定義も作ります。一方でメインサービスのWebディレクターは何人もいるため「君はこの範囲でいいよ」といった感じで業務範囲が限定的になりがちです。その分、時間をかけてそこを学ぶため、専門性は強まったりする効果もあります。また、使うお金が多いため大規模な経験ができます。

どちらが良いかは個人の感覚によりますが、私はサブサービスのWebディレクターを勧めています。理由はいくつかあり
・単純に力がつきやすい
・しがらみが少ない
・スピード感がある
といった理由です。どうせやるなら1番を目指すタイプであれば、サブサービスのWebディレクターが向いているかもしれません。

最初はITエンジニアに迷惑かけてばかり

事業会社に限る話ではないかもしれませんが、新米Webディレクター時代は周りに迷惑をかけてばかりです。特にITエンジニアには苦労をかけがちです。しかしながら、いつかは抜け出せる話なので、そこまで心配し続ける必要はありません。最初は学びの連続であるため、その学びをしっかり身につけていけば周りに迷惑をかけることも少なくなっていきます。

インフラについはいつまで経っても弱い

Webディレクターの多くはインフラ関係に苦手な人が多いです。なので、もしインフラに苦手を感じている人がいれば心配無用です。結構そう思っている人は多いです。

かくして私もインフラ系の知識は弱かったです。最初は任せっきりでした。しかしながら、弱いままだと一流のWebプロデューサーやPdMにはなっていけません。その範囲もしっかり知識として持っていることで全体を上手く読んだ采配ができます。

インフラ要件の学び方は様々ですが、私は勉強では身につきませんでした。社内でインフラに強い人を上手く味方につけて学ばせてもらいました。

鉄人的な人が支えている

早期退職が相次ぐ事業会社のWebディレクター界隈ですが、全員がそういうわけではなく鉄人のような人がいたりします。この人のおかげで成り立っていることも多く、
・誰も知らない仕様を知っている
・誰が何を知っているかを知っている
・多くの経験をしているため、何でも知っている
といったように、社内のことに詳しいことはもちろんですが、技術面にも明るくとにかく頼りになります。

それなりに転職成功者がいる

事業会社のWebディレクターをしているとブラック企業で鍛えられた精神と確かなスキルが身につきがちです。そのため、転職成功者もそれなりに多く「俺も転職しよっかな」と思いたくなることがあります。

事業会社の特性ですが、事業会社のWebディレクターをしていると次も事業会社を目指しがちです。そして、事業会社はユーザー向けにサービス展開をしているため、名のしれた企業になります。そのため、「その企業知ってる!」といった企業に転職をする同僚も珍しくありません。

冷や飯を食わされている有能社員がいる

事業会社は体育会系であることが多く、IT部門にもその影響がきます。実際に体育会系の社員ばかりではないのですが、
・仕事を取りに行く姿勢が大事なんだよ
・圧倒的な自責を持つ奴は見込みあり
・頑張れるだろ
的な感じが良しとされがちです。実際に全てが悪いとは思いませんが、ただの精神論担っていることも多く、IT系で働く人にとっては合わない感性であることも珍しくありません。
そのため、そういった合わない感性を持ちつつも高スキル人材みたいな人はなかなか年収が上がりません。逆に口が達者で大きい声タイプの人材が出世してしまいます。

基本的に仕様書がない

事業会社はIT部門に対しての投資がおろそかになっていることが多く、ヒト・モノ・カネが常に不足しています。そのため、少ない人数で多くのことを回していく必要があります。そうなってくると、案件ごとに仕様書をまとめたり、「これ見れば全部わかるWiki」みたいなのが更新されていなかったりします。

新しく配属された人にとってはなかなか辛いことであり、
・痛みを伴いながら仕様を覚えていく期間がある
・仕様の確認をいちいち上司や協力会社にしなければならない
・最初の期間は考慮漏れが起きがち
といったことがあります。また、仕様書を残していない上司が偉そうに「ここはこういうこと考慮しないとね」みたいなことを言ってきます。言ってくれるのは有り難いのですが、謎に偉そうな人もいるので注意です。

アプリチームがどこか蚊帳の外感

どの企業もそうではないと思いますが、アプリチームは重要な役割を果たしていますが、Webサイト側の担当と比べて少し外感があるように思えます。これはプログラムの仕組みや歴史の問題だと思いますが、
・元々はWebサイト主体でサービス展開をしている
・APIは用意するから自由にやってくれ感
の2つからきていると思います。アプリメインになりつつあっても、まずはSP、PCサイトを重要視しており、そこに新しい仕様をどういったデザインで組み込むかがファーストステップになりがちです。Webサイト側の仕様が決まったら、APIを用意して「Web側はこんな感じでやるので、アプリ側もこの仕様組み込みつつ反映をお願いします」的な感じになりがちです。

Webサイト側はユーザーが見る表面的な情報+サーバやDBといったバックエンドの管理や営業調整なども担っていることが多く、情報の元になっていることが多いです。そのため、表面的な対応を担うアプリ側は、少しだけ外にいる感じがでがちです。僕のいた会社だけでしょうか…?

障害発生時は深夜でも関係なし

事業会社は比較的大規模なサービスを扱っているため、トラフィックの負荷による障害や仕様が考慮しきれずに起きる障害、クライアントからの温度感高めのクレーム対応などが発生しやすい環境にあります。

私がかつていた事業会社で起きていたことは
・いきなり深夜に対応
・ツーリング中に障害が発生し、次のSAで障害対応
・帰ろうとしたら障害発生
・帰ろうとしたらクレーム対応
・土日に障害対応
といった感じで障害が起きたら、状況問わずに対応を求められました(もちろん無給です…)。若かったのでそういった対応も臨機応変にできましたが、年を取ってくると辛いだろうと思う場面は多々あります。

まとめ

事業会社のWebディレクターあるあるをまとめていました。あまりいい話が浮かばなかったのが辛いところですが、何かしらの参考になれば幸いです。

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