【事業会社】Webディレクターが良い評価をもらうための目標設定とは

Webディレクター

Webディレクターは目標設定が難しい職種の1つです。営業のように数値で定めるのが難しいです。また、定量的な目標にしても「達成できれば本当に良いのか」というのが人によって異なりがちです。そのため、目標を達成しても普通の評価であることも多々あります。そもそも目標を定量的にできずになし崩し的になってしまうこともあります。

私はWebディレクター、Webプロデューサー、PdMといったキャリアで進んできていましたが、Webディレクター時代の目標設定が1番難しかったと思います。ただ、ちゃんと考えて目標設定したおかげで良い評価をもらいつつ、次のキャリアに繋がったとも思っています。だからこそ、自分の経験を共有しつつ、目標設定の参考にしてもらえればと思っています。

目的を定める

目標を定める前に目的を定めるところから始まります。
いかにそれらしい目標を定めても、それに対してコミットできる気持ちがなければ目標達成は難しいですし、業務をする中で目標への意識は薄れていきます。

だからこそ、目標を達成するための目的が必要です。これは心の底から思える目的である必要があります。「会社を成長させたい」「事業を成長させたい」などを心の底の目的に置くとブレやすいです。「沢山のお金を得たい」「異性からモテたい」など「つまるところそうだよね」と思えるような目的である必要があります。底の目的ができてきたら、その目的をもう少し現実的な形に直していく必要があります。「まずはスキルを得たい」「事業をでかくして、人が増えれば自分の役職が上がるから、事業をでかくする」「仕事の出来る人間はモテるから仕事ができるようにしたい」など仕事に通ずる目的に変換していきます。

私の場合は「高いところで安定した人生を送りたい」という底の目的があり、そのためには、誰もが欲しがる希少性の高い人材になる必要があると考えました。それを言葉に直して「スキルを得たい」「多くの経験をしたい」という仕事面に落とし込んでいきました。

Webディレクターの役割を整理する

具体的な目標を定める上で知ることが重要です。極端なことを言えば、Webディレクターであるにも関わらず、「PV数を前年対比110%」「プログラミングをできるようにする」などは適した目標と言えません。それはWebプロデューサーであったり、プログラマーの目標になってきます。そういった目標を定めて、達成できたとしてもあなたの評価にはなりません。

Webディレクターである以上、Webディレクターの役割に対しての目標である必要があります。その役割を最大化できるWebディレクターが優秀なWebディレクターであり、評価されるWebディレクターになってきます。

Webディレクターの役割を整理すると「QCD(質、コスト、納期)」を高いレベルでこなせる人です。
・コスパの良い仕様を考えられる
・保守性の高い仕様を考えられる
・定められた納期にコミットできる
・提示されたスケジュールに対してさらに早い納期を論理的に提示できる
これらのことを高い次元で実現できるWebディレクターは優秀なWebディレクターと言えます。A案件に対して新米Webディレクターが引き継ぎ時に忘れ去られそうな厄介な仕様で且つ費用もかかるパターンを考えつつも、中堅Webディレクターはシンプル且つ安価なパターンを考えられれば、それはQCDに差がでてきます。

一言で言えば進行管理と言われる仕事ですが、求められる役割は広いですし、差のでやすい仕事です。それはQCDに紐づく練度の違いと言えます。

会社、部署、上司の方向性を知る

Webディレクターの役割がQCDに紐づくものだという説明をしましたが、状況によって重みが異なります。
・納期よりも安全で質の高い実装をしろ
・とにかくスピードだ
など、上の意向によって求められる重さが異なります。例えば、銀行系で言えば安全と質を大事にします。しかし、事業会社であればスピードを求めることが多々あります。このように、会社や部署の意向に沿う必要が出てきます。

また、そこから上司の意向も大事になってきます。なぜなら評価するのは上司だからです。
10段階評価で上司が8をつければ最終評価は7〜9あたりになりますし、上司が4をつければ3〜5になってくるからです。そのため、極論上司からの評価が全てと言えます。そんな上司が何を求めているかです。それは直接聞くのは野暮な話であり、考察していく必要があります。だいたい予測はついてしまうものですが、上司は更に上からガミガミ言われることを嫌います。ガミガミ言われるのは、スケジュール遅れや障害系のことが起きた時です。これを起こすWebディレクターを評価はしませんし、逆に言えばそこに問題のないWebディレクターは一定の評価が得られます。しかし、芯に求めることは「能動性」からくる手離れさせておいて問題ない安心感です。このあたりは人によって異なるところがありますが、目標の中に能動性を感じる目標を入れるのは良い展開になることが多いです。

目標はSMARTの法則に従う

ある程度社会人をしている人なら問題のない話ですが、目標は定量的であることが絶対です。そして、SMARTの法則に則ることで良い目標設定ができます。

  • Specific:「具体的、分かりやすい」を意味
  • Measurable:「計測可能、数字になっている」を意味
  • Achievable:「同意して、達成可能な」を意味
  • Relevant:「関連性」を意味
  • Time-bound:「期限が明確、今日やる」を意味

からなる法則です。「納期を守って、顧客満足度を上げる」「案件に+αを入れていく」などは良い目標とはいえません。計測できるものではない上に具体性にも欠けています。
SMARTの法則に縛られすぎて、良い案が浮かばなくなってしまったら元も子もないですが、まずは定量性を意識しましょう。第三者が見たときに「できた。できてない」が判断できるようにすることは絶対です。

Webディレクターとしてのフェーズによって目標が異なる

ここからはWebディレクターの具体的な目標設定です。しかしながら、Webディレクターはその経験具合で目標設定が変わってきます。10年以上Webディレクターをしている人が「担当するすべての案件の納期を守る」などの目標だと弱いです。熟練のWebディレクターはQCDのレベルも高くなります。だからこそ、自分のレベルをフラットに見ながら、自分にあうレベルの目標設定をしていきましょう。

先程述べたように目的によって目標が変わってくるため、年収(お金)を大事にした「スキル重視(転職前提)」「昇進重視(社内で上っていく)」を目的としてそれぞれの設定をしてみます。また今回の目標設定は会社や部署、上司の意向は無視しています。一般的に「こういうのでいいんだよ」と言われるような目標を記載していきます。

新米Webディレクターなら

Webディレクターは未経験からも中途で入る人がいるような職種であるため、ITやWebに対して知識0からスタートする人もいます。そういった職種理解やそれに関連する基本知識が備わっていない人を新米Webディレクターとして、目標設定を考えていきます。

【スキル重視】
・Webディレクターとして1人立ちするために○○%以上の案件を予定通りリリースする
・基本情報技術者の資格を取得する
・○○件以上の案件をリリースする(1年を通して全体の80%以上を自分が担う)

【昇進重視】
・QCDを上げるために仕組みを取り入れる
・○○さん(上司)の仕事を80%巻き取る
・会議に出席した際は必ず意見を述べる

このあたりがオススメです。スキル重視と言いながら昇進につながるよう話であったり昇進重視でありながらスキルが高まる部分はありますが、そのあたりは自分の状況と照らし合わせながら適切な目標を考えてみてもらえればと思います。

中堅Webディレクターなら

中堅Webディレクターは3〜5年のWebディレクター経験をもった方くらいを指しています。ある程度の案件は自分でまわすことが可能であり、何かあった際も冷静に対処出来るような方です。スケジュールの遅延に対する巻き返し方や多種多様な案件を経験したことで、過去の経験から対応の仕方が身についているような状態です。

【スキル重視】
・各案件を質の高い状態でリリースするために、応用情報技術者の資格を取得する
※自分の弱いところを補えるような資格
・PM力を高めるために、プロジェクトを案件を無事リリースさせる(プロジェクトがあれば)
・月1回以上のセミナー出席及び学びを仕事に転換する

【昇進重視】
・Webディレクター目線で必要な案件を○件以上起案する
・知見を深めるために他社のWebディレクターと交流を図り、自社にその知見を展開する会を1ヶ月に1回組む
・○○さん(後輩社員且つ新人)の新人賞受賞!
・○○さん(上司)の仕事を50%巻き取る

といったところでしょうか。自分のためにやっているのか、会社が喜びそうなことをやっているのかが分かりやすくなってきます。スキル重視で働いていい会社であれば問題ないのですが、多くの会社はスキル重視でもいいけどちゃんと会社に転換するように求めます(当たり前ですが)。そのため、スキル重視であったとしても会社に寄与できるような要素を組み込むのがテクニックです。

熟練Webディレクターなら

熟練Webディレクターはどんな案件であっても対処可能な状態です。社内でもWebディレクターとしてはトップレベルであり、頼りになる存在です。熟練Webディレクターは年齢依存しているわけではなく、20代でも30代前半でも結構いる認識です。ここまでくると、次にどういうキャリアを歩みたいかによるところがありますが

【スキル重視】
・PMPの資格を取得する
・休日にWebディレクターとしてのコンサル業務を行い、その知見を社内に共有する

【昇進重視】
・知見を社内に共有する勉強会を定期開催する
・誰でもすぐにひとり立ちできるようにWebディレクター業務を体系化する

などになってきますが、熟練WebディレクターになってくるとWebディレクターとしての業務を最大化させても良い評価を貰える確率は低いです。それよりもWebプロデューサーで活躍していたり、PdMで活躍する人たちが良い評価をもらう傾向にあります。そのため、熟練Webディレクターから先の昇進や年収アップは大きく望めないのも現状です。

スキル重視でいくのであれば、会社での評価は一定のラインに保ちつつ休日に大きく稼ぐのも手です。それだけでも20万〜30万の副収入にはなってきます。ただ、昇進重視であればある意味てっぺんについてしまったと言えます。熟練Webディレクターになる前にWebプロデューサーやPdM、PMキャリアに移るための準備をしてもいいかもしれません。

まとめ

明日になったらいきなり凄腕Webディレクターになることはありません。できるWebディレクターというのは、地道にコツコツと経験・スキルを磨いた人たちです。いきなりそこの姿を目標にすると足元がグラグラになります。まずは背伸びしたら届きそうな目標感を作りづつけていけば、Webディレクターとしての成長も見込めますし、しっかり評価されると思います。

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