【Webディレクター】パーソナライズって導入価値あるの?どうやって導入するの?

Webディレクター

YoutubeやTiktokを始め多くのサービスで導入されているパーソナライズ。Webディレクターとして働いていると「パーソナライズ入れたいんだけど」「パーソナライズってどうなん?」といったようにパーソナライズの導入を検討される企業も増えてきています。

Webディレクターに依頼する人にとっては「パーソナライズ入れたい」という言葉をいうだけですが、Webディレクターにとっては一大事です。
・どうやって導入するの?
・個々にパーソナライズするってことはかなり負荷かからない?
・そもそもパーソナライズって入れる意味あるの?
・ロジックはどう組めばいいの?
など色々な疑問が湧いてくるかと思います。

私が担当するサービスではパーソナライズは既に導入済みであり、その知見も活かしながらパーソナライズについてWebディレクター目線でお話していきたいと思います。

そもそもパーソナライズとは

そもそもパーソナライズの意味をご存知でしょうか。ググってみると

顧客全員に同じサービスやコンテンツを提供するのではなく、一人一人の属性や購買、行動履歴に基づいて最適な情報を提供する手法、しくみのこと。

という風に出てきました。私の認識とも同じであるため、この言葉で間違いないです。

Webディレクター的に言うと
・会員情報
・コンバージョン情報
・サイトの行動遷移
等をゴチャゴチャ混ぜて、その人に合う自社の商品を紹介するということです。そのため、会員に紐づく充分な情報とパーソナライズ先になる商品情報の両方が充分でなければ優れたパーソナライズは組み立てられません。

YoutubeやTiktokのパーソナライズのアルゴリズム

YoutuberやTiktokerとして活躍される方にとっては、自分の動画をより多くのユーザーにリーチして見てもらうことが重要です。そのため、それぞれのサービスのパーソナライズをハックして自分の動画の露出機会を増やしていく必要があります。

ここではそれぞれのパーソナライズを詳しく話す記事ではないため、割愛しますが
Youtube:見られる動画がより見られるような仕組み(同じ系統の動画を見る安心感)
Tiktok:どんな動画でも100人に露出をさせて、その結果次第で露出の範囲が決まってくる(色々な動画が見れる刺激感)
と言われています。何が言いたいかと言いますと
・パーソナライズの仕組みは1つではない
・パーソナライズの仕組み次第でユーザーの満足度が大きく変わる
ということです。パーソナライズと言えば簡単ですが、そのロジックが大事であり、そのロジック次第でパーソナライズを導入した際の結果や顧客体験が大きく変化します。

Z世代に刺さるパーソナライズだが各年代のウケは?

Z世代と言われる若い層は思春期からYoutubeやSNSに慣れていることもあり、自分に合った見せ方をしてくるサービスに慣れています。そのため、若い方が中心のサービスを扱う際はパーソナライズを入れることに何も問題はありません。しかしながら、20代後半、30代、40代…といったような世代にパーソナライズは通用するのでしょうか。
結論、通用します。

理由はいくつかあり
・大手サービス(Youtube等)がパーソナライズを中心にしている以上、各世代が慣れるのは時間の問題
・情報過多による疲労や手間はどの世代にも共通してる課題
だからです。年代が高くなるほど慣れるのには時間がかかりますが、いずれ慣れるためその前にパーソナライズを導入しておくのは自然な答えと言えます。

パーソナライズの導入難易度

Webディレクターであるあなたに「パーソナライズ入れようと思うんだけど」と言われた時にドキッとしてしまうかもしれません。なぜならパーソナライズの導入難易度が分からないためです。そういった気持ちにならないようにパーソナライズの導入難易度を知っておくと良いかもしれません。

パーソナライズの導入難易度は【普通〜高】と言えます。難易度がブレるのは、
・どのレベルのパーソナライズにするのか
・スクラッチなのか他社サービスを導入するのか
によるためです。

ゴリゴリのアルゴリズムをスクラッチで組もうとした場合は高難易度と言えます。
・アルゴリズムを組むセンス
・アルゴリズムの保守性と汎用性の担保
・ユーザー毎にパーソナライズ結果を出すことに伴うサイトスピードの担保
・パーソナライズの更新性
をQCDを意識しながら実装するのはなかなかの苦労です。

しかしながら、「まずはパーソナライズというものを入れてみる」「他社のサービスを利用する」という場合であれば難易度は普通レベルと言えます。先程のような苦労は殆ど気にする必要がなく、他社のカスタマーサクセスと一緒に良い感じのアルゴリズムを組みながらパーソナライズを作れます。実装も簡単であることが多いのであまり日和る必要もありません。

サービスのどこにパーソナライズを導入すべきか

依頼者は往々にしてパーソナライズという言葉に反応していることが多く、具体的な実装イメージは持っていません。そこも含めてWebディレクターに任してくるケースが多いです。そんなWebディレクターの方々に向けて、パーソナライズを入れるべきポイントについてお話します。

【導入すべき商品】
●パーソナライズ先の多い商品(SUUMOのようなほぼ無数にある賃貸情報など)
●素人目には比較検討が難しい商品

【導入箇所】
●メルマガやLINE通知など再訪機能内
●商品の一覧ページ
●自由(ユーザーの動向に合わせて適切なタイミングであれば)

に対してはパーソナライズが効きます。事業会社のWebディレクターであれば、多くの商品を扱うことが多いため導入必須と言えます。一方で制作会社のWebディレクターであれば導入する価値は低いかもしれません。月間で数万程度の流入しかないサイトやそもそもパーソナライズする情報がないことが多いため、導入費用に対する効果を得ることが難しいと言えます。

また導入箇所はそれぞれです。一般的には商品の一覧ページ内に「オススメ商品はこちら」みたいな出し方です。他にもメルマガやLINE通知で再訪を狙う際にパーソナライズされた商品を紹介する方法もアリです。さらに活用していくのであれば、AページBページを通った人にCページに遷移する通知をするのもパーソナライズと言えます。このように、CV目的や新商品の紹介等にパーソナライズを至るところに忍ばせることができます。

パーソナライズを導入する具体的な方法

「具体的にパーソナライズを導入する方法が知りたいんだよ」という声があるかと思いますので、具体的な導入方法についてお話します。今回は他社のサービスを利用するパターンです。正直、スクラッチで組むのはオススメしていません。資本力と充分な人材がいればスクラッチもアリですが、他社サービスを入れるほうが簡単に充分なアルゴリズムが組めます。

メールにパーソナライズを組み込む

私の事業部で扱っているメールシステムを紹介することはできませんが、その手法や考え方をお伝えすることはできます。メールにパーソナライズを組み込む際は

●ユーザーのセグメントをする
●配信タイミングを作る
●メールの種類を用意する
●メールの中身を用意する

の4作業が主になります。これらすべての作業を外部システムで行うこと可能です。ググったら色々な会社のシステムがでてくるので調べてみるのがいいでしょう。
それぞれの説明に移りますが、ユーザーのセグメントについてからです。A×Bで10弱のセグメントが作れれば問題ないと思われます。具体的には「一覧の閲覧有無×応募の有無」みたいな考え方です(これだと4パターンしかできませんが)。扱うサイト毎に持っている情報が異なるため、どのようにセグメントを切るかは各々が考えるべきところですが、「年代×応募の有無」みたいな感じだと10パターンくらいできたりします。

次に配信タイミングです。
・何かをトリガーにする配信方法
・固定のタイミングで自動配信し続ける
のが一般的です。何かをトリガーに配信する場合は、そのデータを常に連携させる必要があるため面倒です。そのため、基本的には「金曜日×17時」のように配信タイミングを決めておくのが良いです。別に1週間に1回しか送っていけないルールはないので、必要な分のメルマガを用意すれば良いです。それがメールの種類であり、「金曜日×17時×閲覧傾向に合う商品」「月曜日×12時10分×あなたと同じ属性が見ている商品」といった感じです。

最後にメールの中身ですが、AさんとBさんには同じメールの種類であっても異なる中身のメールを届ける必要があります。同属性の閲覧で考えるのであれば
・Aさん(20代、男性、東京都、購買履歴あり)と同じ情報を持つ人を絞って、その人達が見ている商品をランク化し、Aさんが見ていない商品に絞って配信する
みたいなやり方です。先述もしていますが、何十万というメルマガ会員全てにこのパーソナライズのロジックを動かしてメルマガを作るのは大変です。そのため、外部のツールが役立ちます。会員情報と商品情報等をその外部ツール側に連携させれば、ワンポチでできたりします。

サイト上の一覧ページにパーソナライズを入れる

例えばですが、不動産情報を扱うサイトだとします。「文京区×家賃10万以上×バストイレ別」で絞ったユーザーがいたとします。そのユーザーには該当の賃貸情報が一覧上に表示されるわけですが、

●並び順の1つに「あなたに合う並び順」
●新着順に並ぶ賃貸情報の中に時たま「あなたに合う賃貸情報」

みたいな出し方をする方法です。基本的なサイト設計はサイト運営側が決めた並び順「新着順や検討リスト順、締め切り間近順」に対してユーザーが情報を絞ってその並び順で見るのが一般的です。しかしながら、パーソナライズはユーザー毎に並び順を作ることも可能です。そうなるととてつもない負荷がかかります。私もかつてスクラッチで部分的に作ってみたのですが、ユーザーの属性と商品の属性を結合して適切な並びに入れ替えて見せるのは、スピード問題がキツいです。ロジックは組めてもスピード問題を解決するのが大変でした。やり方はあるのですが、それをやるとサーバー費用などが余計にかかってしまうことがあったため、断念した思い出があります。そこから外部のツールを検討して導入しています。基本的には外部のツール側でユーザー毎のオススメ商品を順番も含めて作ります。サイト側はタグを入れて完了です。サイト側と外部ツール側のデータ連携の頻度は要検討ですが、負荷のない程度で更新しておけば、後は外部ツール側がゴリゴリとアルゴリズムを動かして、ユーザー毎のおすすめ商品を作ってくれます。サイト側は共通のタグで呼び出していくだけなので、負荷はありません。また、自分で1から考えるよりもその道のプロが作ったツールであるため、色々なアルゴリズムを考えられるダッシュボードがあったり効果測定もしやすいです。

サイト内の動きに合わせてパーソナライズを入れる

よく見るサイトを使っていると現れるポップアップがアウトプットの形になるケースです。あそこにパーソナライズを入れる考えです。私の場合はこれも別のツールを使っているのですが、
・○○という会員属性
・○○ページを見た履歴がある
・CVの履歴がある
などの情報に合致した場合に「○○ページで✕✕のコンテンツを見せる」みたいなことをしています。これだとユーザーをセグメントしまくっているだけに過ぎませんが、✕✕のコンテンツの部分を先述のようにデータ連携させた結果で見せれば✕✕の中身をユーザー毎に入れ替えることも可能です。しかしながら、サイト内の一覧でパーソナライズを実装している場合は、ここでもパーソナライズをするのはパーソナライズがウザすぎる感がでてきます。そのため、導入するかは要検討だと思います。

しかしながら、ユーザーの動向に合わせて見せるコンテンツを入れ替えられるツールは便利です。Webディレクターをしていると思うのですが、対象ユーザーを絞ってお知らせをしたかったり、IEの終了告知だからIEに訪れた人に終了告知をしたかったりなど、お知らせ機能は搭載しつつもその利便性に惜しいと感じることがあるかと思います。先程紹介したツールだと、いかようにでもユーザーをセグメントできるため、見せたいユーザーにだけ見せたいコンテンツを見せることが可能です。見せ方も色々であるため、強調表現や控えめ表現も可能です。できれば何のツールを使っているのかを紹介したいのですが、色々な事情があり控えさせてもらいます。

まとめ

昨今騒がれるパーソナライズですが
・導入価値あり
・導入するなら外部ツールを使ったほうが早くて安くて質がいい
・導入箇所はメルマガやサイト内の一覧ページが無難
ということが言いたかったです。Webディレクターをしていると無理難題な案件を振られがちです。パーソナライズもその1つだと思います。言葉では簡単ですが、導入イメージがつきにくかったり、どのようなパーソナライズにするかで悩んでしまいます。少しでも解決になっていれば幸いです。

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