何年も前からAIに対する注目が集まり、様々な分野でAIの導入が進んでいます。このAIの導入を進めるのはWebプロデューサーです。細かいところはエンジニアが担ってくれますが、AI導入を推進し、導入後に成果を出す責任はWebプロデューサーにあります。
しかしながら、多くのWebプロデューサーはこう感じたのではないでしょうか。
・ぶっちゃけAIについてそこまで理解してないんだよね
・AIとか入れる意味ある?
・そもそも、これAIでも何でもないでしょ
ということです。優れたWebプロデューサー程、「AI導入!AI導入!」という声に一石を投じる動きを取りますし、そもそもテクニカル要素が強い部分を苦手とするWebプロデューサーも多いです。
本日はAI×WEBについてのお話です。今後、AI導入の流れになりそうなWebプロデューサーの方は何かしらのヒントを得てもらえればと思っております。
今のAIを理解してる?理解してたら天才です
まず言いたいことは「本当にAIを理解してる?」ということです。個人的な印象だと、よく分かってない人ほど「AI」と叫んでいる感じがしており、文系ほど「AI、AI」と言っている印象です。よく分かっていない人が間違った認識でAIを語るため、AIの認識が間違った状態で広がっています。
改めて今のAIについて正しい理解を伝えると、「人間っぽい判断を限りなく可能にしたもの」ということです。そのゴールイメージはドラえもんであり、あれが汎用人工頭脳と呼ばれる強いAIを持つ状態です。しかしながら、現実世界にドラえもんのようなAIはいませんよね。要するに技術者がAIと呼びたいAIと我々が呼んでいるAIには認識の相違があります。
我々が呼んでいるAIはいわゆる弱いAIから作り出された特化型人工頭脳です。これは画像を見て何かを検知したり、自動運転、音声認識など特定の分野においては人間のような判断が可能なAIです。しかし、画像検知するAIは「何となく音楽を聴く」「信号で止まって青になったら通る」などといった画像検知以外の世界では何も出来ません。それ故に我々が呼んでいる特化型人工頭脳と汎用型人工頭脳には大きすぎる谷があります。
AIと機械学習とディープラーニング
そもそもAIに対する誤解がある上にAIと機械学習とディープラーニングの違いもあやふやな方が多いかと思います。AIと呼ぶこともあれば、機械学習とよんだり、たまにディープラーニングと言ってみたりなどめちゃくちゃな状態です。
改めて整理をすると「AI>機械学習>ディープラーニング」です。AIは機械学習とディープラーニングを総称した言い方です。そのため、「AIを活用する≒機械学習を組み込む」という言い方は正しいです。しかしながら、「機械学習を組み込む=これはAIなんです」というのは部分的に正しいですが、正解とは言い切れません。
そして、現在使われているAIの多くは機械学習によるものが多いと思われます。
いくつかある機械学習の内、いずれかを使用して何かを実装している状態です。
教師あり、教師なし、強化学習
機械学習は「教師あり、教師なし、強化学習」のいずれかから選んで実装していることが多いです。
【教師ありの機械学習】
Aに対して正解、Bに対して不正解といったように判断させるモノに対して合否を紐づけます。これを何万も繰り返すことによって、新しいCやDに対しても正解、不正解を判断させるものです。
・画像の中に○○が含まれていることを検知する
・電子メールのスパム判定
・産業機器の故障判定
・各種予測
といったことに用いることができます。しかしながら、それぞれに対して合否を紐づけるのが大変であることが難点です。
【教師なしの機械学習】
これは教師ありとは異なり、AやBに対して合否を紐づけません。処理の中に分類分けが含まれており、AとBに何の共通項があるのかを判断していきます。これをC,D,E…とやっていくことで、ABEには○○の共通点がある。BDEには✕✕の共通点がある。といったマッピングをしていきます。
・教師ありでできること
が教師なし学習でできることであり、アプローチの違いはありつつもできることのイメージは教師ありと近しいところがあります。しかしながら、教師なしの機械学習は開拓領域であり、教師ありでできることをより精度高く手間なく実装していけることがメリットであり目指すところです。
【強化学習】
これは先程の2つとは異なり、報酬の大きいゴールを目指す学習アルゴリズムです。ゲームでイメージすると分かりやすく、より高得点を取るにはどういった動きが最適なのかを繰り返しながら学び、導き出すものです。
・ゲーム
・業務の最適化
などが主であり、囲碁将棋でAIが勝つみたいなのはこの学習方式になります。また、機械的な業務であれば、学習×機械により最適な業務フローを見つけて機械がそれを行う座組が完成します。
AIはあくまで手法に過ぎない
Webプロデューサーは方向性を示し、具体的な施策を立案する大事なポジションです。だからこそ、優秀なWebプロデューサーがいればそのサイトは成長しますし、逆もまた然りです。
そのため、AIを導入することに対しても、上が言うままに導入していては何も成果は得られません。手段が目的になっている状態では、入れてみたものの…で終わってしまいます。
・なぜAIを入れたいと思ったのか
・自社媒体と競合他社の現状把握
・そこから浮かび上がる課題感
といったように、現状把握と課題の抽出を先に行わなければなりません。その解決案としてAIが上がるのであれば問題ないです。しかしながら、解決案がAIでないにも関わらず、とりあえずAIを入れれば解決するでしょう。といった流れでAIを入れても、いつぞやのPepperくんと一緒の結末を迎えます。
Webプロデューサーが入れるべきAIを活用した機能
とは言いつつも、AI導入の流れが確定している場合、どういった活用事例があるのかについて知りたいところかと思います。扱う事業媒体によって導入する価値が分かれるところではありますが、一般的に使えるAIの活用事例についてご紹介します。
検知システム
これは画像を見た時に「OK」「NG」を判断するシステムを示しています。載せてはいけない画像や載せてはいけない部分がある場合、そこに対して何千何万の画像で学習させておきます。「このパターンの画像はOK」「これはNG」といった学習をさせておけば、角度がずれていたり、載せてはいけない部分が固定した箇所になくとも検知してNGの判断をしてくれます。さらに処理を上乗せして、NGの箇所に白線を入れるなどすれば、NG箇所に対してモザイク処理のようなことができるためそういった2段活用もあります。
レコメンドシステム
多くの事業媒体で活用しやすいのがレコメンドシステムです。これまでの話から「レコメンドシステムってAIなの?」と疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。その答えで言うとなんとも言えない感じです。AI界隈の前線にいる方からすれば「ナメんなよ」とおっしゃるかもしれませんが、AIという言葉で商いを仕掛けようとする人からすれば「まぁいいんじゃない?これがAIでも」という感じがします。私からすると、AIの本場は画像や音声などを人間っぽく判断したり動かしたりする領域だと思っています。レコメンドシステムに人間っぽい判断があるかと言われると疑問です。しかしながら、大量のデータから何かのアクションを起こすという意味では、機械学習の1つと言えます。なので、レコメンドシステムをAIとした場合はレコメンドシステムはその活用方法の1つと言えます。
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など出てくるものは強調フィルタリングやルールベースレコメンドなど7,8種類あるレコメンド方法から算出された結果です。導入方法はASP型と言われる、そういったレコメンドシステムを提供している会社のシステムを導入するかオープンソース型という独自開発のどちらかですが、ASP型がオススメです。
各種予測
各事業によりますが、予測というのは何かしらで絡んできます。主には購買履歴等を用いた予測になります。
・既存商品の売上見込
・新商品の売上見込
など、何となく過去のデータから算出していたものがより正確に早く算出できます。
・ECで言えば、在庫の最適化
・タクシーで言えば、需要箇所の表示
・飲食店で言えば、混雑状況の予測
など、正確な予測が立てられることで人を配置する量に対して上手く制御できます。しかしながら、需要系の予測は経済状況に左右されたりなどパラメータが多いものです。そのため、まだまだ人の勘所や経験が生きてくるのも事実です。
AI導入に向けて大事なこと
「AI導入しよう」という声がかかってから、来週には「できました!」というようなスピード感で作れるものではありません。技術要素の強いものほど、場当たり的に導入すると痛い目にあいます。導入に向けて大事なことがいくつかあり
・AIのわかる人材がいるか
・どういったことに活用していきたいかのストーリーが立てられるか
の2つが重要になってきます。Webプロデューサーが前者を担うことは難しいですが、校舎はむしろ本業です。WebプロデューサーはAIをどういった風に活用するのかを導入前にしっかりと練り、関係者に対して認識合わせしなければなりません。
また、AIのわかる人材を内部に用意するか外部から調達するかも考える必要があります。おそらく、社内にAIエンジニアがいる方が少ないため、外部との協力が必要です。あなたが作ったAI導入に対する活用イメージを実現できるシステムを持つ会社探しです。ググれば色々な会社がヒットしてきますが、どこもそこまで大きく変わりません。合う合わない等も含めて色々な会社に声がけしてみて探してみると良いでしょう。
まとめ
AIはあくまで手法です。
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