「Youtubeチャンネルってどうなん?」企業チャンネルをWebプロデューサーが成功させるには

Webプロデューサー

今や珍しくもありませんが、企業もYoutubeチャンネルを持ち運営しています。しかしながら、多くの企業は失敗しています。社内では良いように繕っていますが、傍から見れば失敗と言わざる負えない企業チャンネルばかりです。

これはWebプロデューサーの責任でしょうか。答えはYESです。始めてしまった以上、その結果に対して評価されるのはWebプロデューサーです。しかしながら、「いやいや、成功するわけないじゃん」と思いながら始めさせられて、「やっぱり上手くいかなかったよ…」という感じではないでしょうか。なかなか世知辛いですよね。

もし、まだ企業チャンネルを発足させていなかったり、既に発足しており成功させていかなければならない立場にある方であれば、もしかしたら挽回できるかもしれません。この記事の内容を完コピすれば必ず成功するとはお約束できませんが、記事の内容を自社の状況に照らし合わせながら、答えを見つけ出すことはできるかもしれません。何かしらのキッカケになればと思います。

目的と目標➜モデルケース

「Youtubeって良いらしいじゃん」というお上の言葉でチャンネルを立ち上げがちですが、そんなノリでチャンネルを立ち上げても成功はしません。お金をかければ成功するビシネスではないため、下手な人が運営したらお金を垂れ流し続けるだけです。

「チャンネル運営をする」という戦術が先にきてしまっているのはそもそもおかしい話ですが、よくある話なのでそれはおいておきます。その戦術に意味を持たせて成功の定義をはっきりさせることが重要です。要するに目的と目標を立てることです。
【目的】
・認知を拡大する
・CVを取りにいきたい
・企業のイメージアップを図りたい
【目標】
・チャンネル登録者数○○万人以上(半年以内)
・月間再生数○○万回以上
・視聴者維持率○○%以上
・ユニーク視聴者数○○万人以上/ヶ月
こんなところでしょうか。何をやるにしても目的と目標がなければ、なし崩しな運営になってしまいます。そのため、目的と目標を立てた上で開始しましょう。

しかしながら、企業の上層部はそんな細かいところは気にせず「なんか有名にしてよ」的なニュアンスでオーダーを投げかけてくるため「目的は○○で目標は○○です」といってもピンとはきません。実際に運営するメンバー内で目的と目標の認識を合わせながらも上層部には「○○チャンネルくらいにします」といったモデルケースを伝える方が分かりやすいです。そのモデルチャンネルに対して「しょぼくない?100万人のチャンネルくらい目指さないと」みたいなことを言ってきやがったら、データをもって不可能だということを伝えるべきです。

ざっとのデータになりますが、
1万人以上:上位3%
5万人以上:上位1%
10万人以上:上位0.4%
50万人以上:上位0.05%
100万人以上:上位0.02%
と言われています。さらに、○○万人超えのチャンネルというのは
・動物チャンネル
・若者を餌にするチャンネル
・先行者のチャンネル
・大食い、喧嘩、エロなどの刺激が強いチャンネル
・Vtuberチャンネル
のいずれかであることが殆どです。企業チャンネルが手を出しづらい領域ばかりであり、上位の企業チャンネルは
avex:音楽配信
NHK:情報配信
ANNnewsCH:情報配信
程度であり、最近は日経テレ東大学も躍進していますが、これも配信のプロが扱うチャンネルです。要するに100万人以上のチャンネルを作るなんてのは99%不可能であり、10万人程度いければ超大成功と言えるレベルです。

制約の数だけ成功しないことを認識させる

企業チャンネルはコンプライアンスという一言で色々なしばりをつけられます。これにより当たり障りのないことしか言えなかったり、企業イメージの落ちるような言葉使いや態度は封じられます。これがどういう状況かというと、飛車角落ちで将棋をしているようなものです。

企業イメージを保つために制約をつけることは問題ないのですが、それをする反動でチャンネルが伸びないことも認識しなければなりません。そのトレードオフを認識せずに「制約はつけるけどチャンネルは伸ばして」というのはあまりにも虫が良すぎます。

本当にチャンネルを伸ばしたいのであれば、表現の自由に対してどこまでOKかの合意を取っておくべきです。これも「○○チャンネルのような感じで運営していいか」といったようにモデルケースを使いながら合意を取る方が早いです。

初期段階から動画制作を外注しない

企業チャンネルがやりがちなことの1つに「動画の外注」です。これをしているようでは成功はありません。基本の成功パターンは
①しばらくは自分で編集
②伸びてきたら外注
の流れです。自分で作るよりも外注して作った方が効率的になってきたら外注という選択がでてきます。なのにも関わらず、初めから外注するということはコスト意識に欠けすぎています。また、面白い動画を作るコツやノウハウを分からないままやっていることになります。これは動画制作をしたことのある人にしか分かりませんが、細かいニュアンスや面白い見せ方、分かりやすい見せ方は作ったことのある人だからこそわかる領域です。その経験がない状態で動画制作を外注していても回る動画は作れません。外注先に何十、何百万円もかすめ取られて終わりです。昨今、動画制作を請け負う会社は汚い企業ばかりです。いかに発注側から長く多くお金を吸い上げることしか考えていないです。何も分かっていない発注者なんてのはカモでしかありません。

6ヶ月やってみてダメなら閉じる勇気を持つ

YoutubeのアルゴリズムはSEOと同様で公開されていません。そのため、「○○すればインプレッションが伸びる」という確実なことは言えません。しかしながら、何チャンネルかを運営してみて感じたことがあります。それは「初期ブーストがどこかで起きる」ということです。それぞれ持っているチャンネルでブーストされた時期は異なりましたが、1~3ヶ月の間にインプレッションが伸びる時期があります。

そこが最初で最後の勝負の時間です。初期ブーストに乗っかれば数万、数十万のチャンネルまでいける可能性がでてきます。しかしながら、そのブーストを生かせなければ何年経っても数十万のチャンネルにはなりません。これは断定ではありませんが、私の経験からそう思います。分かりやすい例がマコなり社長です。彼も同様のことを仰っていましたが、「ブースト時期があった」と述べています。そのブーストに乗っかり上手くチャンネルを伸ばしています。

だからこそ、この初期ブーストが確実で過ぎたであろう6ヶ月以降にまだ伸びていなければ撤退する勇気です。恐らく、伸びる可能性は著しく低いです。そのチャンネルを運営するくらいなら、新しくチャンネルを立ち上げる方が100倍ましです。

1度失速したチャンネルは浮上しない

こちらも明確に表記されたアルゴリズムではありませんが、自分で運営しているチャンネル、色々なチャンネルを見ていて感じることです。
1度は伸びたが、失速したチャンネルが浮上することはない
ということです。私が見ている限りは失速したチャンネルはYoutubeが推すチャンネルからは外されているように感じます。

先程のマコなり社長のチャンネルも炎上して失速した後はあまり声を聞かなくなりましたし、新R25も同様です。渡辺編集長がゴリゴリに伸ばしている時期は勢いに乗っていましたが、視聴者層に合わない若い子を出し続けた結果、飽きられて失速しました。そこからは伸びてきてません。

成功の鍵は○○チャンネル

色々な前提条件等をお話しましたが「結局どうすれば伸びるんだい?」という質問に対する答えは「他チャンネルの成功例をオマージュする」です。企業で成功しているチャンネルを洗い出して、そこからなぜなぜ分析をして、チャンネル運営に取り入れることが成功へのルートです。
「洗い出し方がわからない」という方はこちらをおすすめします。
https://youtuberranking.jp/genre/company/
https://digital-dashboard.work/youtube_ranking_fan.html
企業チャンネルで登録者数が多い順に並んでいます。

これをいくつか見れば分かることですが、
・徹底的な特化型
・個の主張をせずに求められることをし続ける精神
・フォーマット化
・企業だからできることをやる
ことです。長く愛されるチャンネルはこれができています。

一方で「個人として売れたい感じ」「忖度している感じ」「儲けたい感じ」が出た瞬間に終わります。また「新R25や日経テレ東大学、マコなり社長みたいに個人が意見をあーだこーだ言ってる感じで伸ばしたい」と思うのであれば、Webプロデューサーとしてセンスないです。そういうチャンネルを作ろうという思考がセンスの無さを表しています。

社内にYoutuberがいるならメイン担当に抜擢する勇気

企業がYoutubeチャンネルを成功させる上で重要になるポイントは
・徹底的に組み立てられたロジカルな戦略と戦術
が大前提にありますが、そこにスパイスを加えなければ伸びるチャンネルは作れません。そのスパイスはある種センスのようなものであり、分かる人間には直感で分かるのですがわからない人間には理解できない話です。

では、このスパイスを加えられるセンスのある人間をどう見つけるかですが、個人でYoutubeチャンネルをやっている人材を抜擢することです。意外?にも個人でYoutubeチャンネルをやっていて「実は1万人います」みたいな人はいたりします。
・その人のチャンネル名を詮索しない
・そもそもアフェリエイト収入を副業として認めている
ことが整っていれば、名乗り出てくれるものです。その人材がいれば、スパイス要素が整います。

時代は企業チャンネルではなく○○

企業チャンネルを作って伸ばす流れで話をしましたが、私個人の意見を申し上げると「費用対効果は悪い。99%失敗する上に成功してもリスクがつきまとう状態であるため、やる価値なし」と思っています。

では別の良い方法についてですが、ここでは申し上げられませんし、聞かれても答えれません。Youtubeを用いたマーケティングをするならもう少し考えてみるべきだと思います。考え抜けば、企業ちゃんねるという選択にはならないです。

まとめ

まとめると、ダメな企業チャンネルの特徴は
・そもそもの目的と目標が明確になっていない
・半年経っても伸びずにダラダラ続けている
・外注して制作会社にお金だけ取られている状態
・インフルエンサーチャンネルにしようとしている
です。これから始める方はこうはならないようにしてもらえればと思います。

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