Webディレクターの将来性はナシ。そう言える理由4選と対処法

Webディレクター

Web系の仕事はここ数十年で生まれており、Webディレクターという職種もその1つです。それ故にまだまだ確立されていない部分が多く、その将来性も不明確な部分が多いです。
・Webディレクターが残る仕事
・Webディレクターはなくなる
というどちらの主張も存在しており、「今からWebディレクターになるべきなのか」「今後もWebディレクターとしてBETし続けて良いのか」がそれぞの考えによってしまいます。

私はWebディレクター、Webプロデューサー、PdMといったキャリアで進んできており、Webディレクターの過去も現在も知っています。そして今もWeb業界で働く身として、この業界の変化やWebディレクターのあり方にも敏感な方だとは思っています。だからこそ、Webディレクターは将来性にも考えがあります。私からするとWebディレクターは将来性のない仕事だと思っており、殆どの条件においてWebディレクターのキャリアを歩むことはオススメしていません。本日はその理由についてお話します。

Webサイトの価値が落ちている

価値というのは時代と共に変わります。スマホのない時代にガラケーの需要は凄まじく、誰もが欲しいと思えるほどの需要がありました。しかしながら、スマホの登場によりその需要は激減し、今では新規で購入する人は殆どいません。

Webサイトも同様です。インターネットが流行り始めた頃はWebサイトに価値があり、テレビや雑誌だけではないユーザーとの接触点として見出されました。そして、多くの企業がWebサイトを構築し、そこで商いをしました。そこから発展し、Web主体でビジネスをしていない企業やITに疎い業界も「Webサイト作れば集客になるんじゃない?」といった流れでどこもかしこがWebサイトを欲しがりました。そうなってくると、Webディレクターの価値がでてきます。クライアントの要求を上手くまとめて技術者を管理する施工管理的な役割が求められるのは自然と言えます。

そこから更に時代は流れていきます。YoutubeやSNSが一般化し始めると、「Webサイトだけが集客じゃないよね」といった風になってきます。何かあればググる時代からTwitterで調べたり、Youtubeで見たりなどWebサイトを見ることが減っていきます。そうなると、今のWebサイトをブラッシュアップしたり、新しくWebサイトを作るよりも「インスタやろう」「Youtubeやってみよう」など別の手法で集客が開始されます。こうなってくるとWebサイトの価値が落ちるのは当然と言えます。この流れが逆転する見込みは今のところありません。

Webを始めたIT業界は需要により職種の流行り廃りがモロに影響します。Webサイト需要が落ちる中でWebディレクターの需要が落ちるのは必然であり、今後もその流れで進んでいく見込みです。

Webサイト構築の簡易化が進んでいる

Webサイトの価値が落ちる中でも「とりあえず、Webサイトはほしいよね」需要はまだ残っています。こうなればWebディレクターの出番になるはずですが、WebディレクターがいなくともWebサイトが作れる時代になりました。

ノーコードという言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、ノーコードの進歩は目覚ましいです。ITやWebがあまり分からずとも画面ポチポチでWebサイトができてしまいます。

また制作会社がWebサイト構築を請け負う時によく使うのがWordPressです。昔のイメージは「WordPress言われましても。作れないから、制作会社に頼もう」といった感じで制作会社にいるWebディレクターにも仕事がありました。しかしながら、WordPressが分かってる人しか使えないモノから、調べれば使えるモノに変わりました。Youtubeや分かりやすい解説サイトを見れば、WordPressを使ってサイトが作れます。

このように、Webサイト構築の簡易化により発注側が独自にサイト構築をする流れが進むことで、制作会社の需要は低くなりそこで働くWebディレクターの需要も低くなってきています。

市場が技術ファースト。そして技術の活用方法を求める流れ

Web業界は加速度的に変化しています。それは進化の早さであり、需要の変化を生みます。
現在の需要はデータサイエンティストです。データを利活用して商いをするのがトレンドです。
・未来予測
・レコメンドシステム
・検知システム
・自動運転
などなど、データを用いてより精度高く、未来にも対応できるシステムが求めらる世の中です。Webサイトにおいてもデータ活用がトレンドであり、そこになぞらうシステム改修がよく行われています。

Webサイトを作るだけの時代から、データを用いた改修やそれができるプログラマーにスポットが当たっています。技術寄りの流れがトレンドであるため、技術に弱いWebディレクターの立場が弱くなってきています。また、技術をどう活用するかに対してもWebディレクターはあまり秀でていないため、重要なポジションとして見られづらくなっています。

Webディレクターの質が低さが需要の偏りを生む

Webディレクターという言葉でググると「つかえない」「いらない」「不要」なんて言葉がサジェストされてきます。これはその言葉でググっている人がいるからです。何もない状態からそんなことをググる人はいません。Webディレクターと一緒に働く人が「つかえない」「いらなくない?」的なことを思って調べているからです。

実際にこの業界で数多くのWebディレクターを見てきましたが、パレートの法則がでており「優秀な2割とそうでない8割」に分かれていると感じます。優秀な2割はとてつもない価値を出していますが、そうでない8割はいることがWebで働く人間であるにもかかわらず、Webに関する知識を網羅的にもっていなかったり、進行管理が危うかったり、ただの御用聞きになっていたりなど、負の感情が生まれるのも仕方ないと思う現状です。

その流れが続けば、
・どの企業も良いWebディレクターのいる会社に仕事を頼みたい
・良いWebディレクターに仕事を任せたい
・良いWebディレクターだけ雇う
といったように、良いWebディレクターに仕事が流れて、質の低いWebディレクターには仕事が振られなくなってきます。需要がなくなることとは少し異なりますが、その偏りにより何でもないWebディレクターにとっては需要が低くなることと近しい意味を示しています。殆どのWebディレクターが何でもないWebディレクターであるため、多くの人からして「仕事がない」「キツい仕事しか振られない」「しょうもない仕事しかない」となっていき、年収も下がっていきます。

事業会社のWebディレクターには将来性が残されている

これまでの話は事業会社と制作会社のWebディレクター双方について話してきましたが、その余波をより受けるのは制作会社のWebディレクターです。事業会社のWebディレクターは生き残りの道が残されています。なぜなら、制作会社はWebの制作を受注することで売上が立つビジネスですが、事業会社は自社の商品を展開することで売上が立つからです。事業会社のWebディレクターであれば、Webの制作をする仕事の価値が低くなれば、より事業の成長に寄与する仕事にシフトチェンジしやすい環境にあります。しかしながら、制作会社のWebディレクターは仕事がなければそこまでです。手を変え品を変えコンサルティング業務やマーケティング代行など色々やり始めますが、本質的な改善ではありません。そのため、必ずどこかのタイミングで仕事が切れます。

もう少し噛み砕いてお話をすると、キャリアプランに違いがあります。
【制作会社のWebディレクター】
・Webディレクター➜ずっとそのまま
・Webディレクター➜コンサル的なことをする
・Webディレクター➜フリーランスになる
・Webディレクター➜Webディレクターをまとめる管理職になる
【事業会社のWebディレクター】
・Webディレクター➜Webプロデューサー
・Webディレクター➜Webプロデューサー➜PdM
・Webディレクター➜PM
といったように、制作会社のWebディレクターはどこまで行ってもWebディレクターから離れることが難しく、制作会社というビジネスモデルの特徴からも仕事がなければ年収は下がります。仕事がなくなったときも需要減のWebディレクターなので、キャリアアップする転職も難しいです。しかしながら、事業会社のWebディレクターはプロデューサーだったりPdMだったりPMだったりと仕事の責任範囲を変えることができます。これにより、Web制作の需要が落ちても、Webサイトを成長させる方や事業を作る方にシフトチェンジが可能です。そのため、Webディレクターになるにしても事業会社のWebディレクターを勧めています。

どこでエッジを立てるかが重要になる

事業会社のWebディレクターであっても、何でもない一般的なWebディレクターだとWebプロデューサーやPdMといった職種に移っていくのは困難です。上司から見て「この子はこっちもできそう」と思われるような仕事をし続けていく必要があります。

そのため、Webディレクターとして働きつつもどの領域に強いのかを決めていく必要があります。
・開発領域がわかるWebディレクター
・デザイン領域に強いWebディレクター
・マーケティング関連に強いWebディレクター
…といったように、どこにエッジを立てるのかが重要です。特徴のあるWebディレクターであれば、「より注力できる職種に変えよう」「この覚えの良さならこっちもできそう」「頼りになるから、こっちも任せよう」など可能性が出てきます。

何でもないWebディレクターでも生き残れた時代からそうでない時代になったからこそ、自分の得意領域を持つWebディレクターにより強みがでてくる時代になっています。

まとめ

10年程前であれば、Webディレクターになることをオススメできましたが、今から新規参入は遅いかなという印象です。今Webディレクターとして働く方々も、想定される未来に対して適切な対処をうってもらえればと思います。

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました